免責事項

注意、免責事項について
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2016年12月10日土曜日

キセノン管連続点灯のお話

どうも、KKTです。
最近プリント基板を作ろうと思い立ってCADの使い方の練習を始めたのですが、孫にPCをプレゼントされたおじいちゃんみたいになっています。解説ページ通りにボタンを押すだけの作業でもつまづいたりしててこいつ大丈夫かという感じですけど年明けくらいには一度発注してみようと思います。レイアウトしたりはできるようになったら楽しそうですよね。某所では10枚9.90$とかなり安いので作られるようになるとかなり工作の幅が広がりそうです。

今回は題名通りキセノン管の連続点灯の実験をします。
キセノン管とは皆さんご存知の通りカメラのフラッシュなんかに付いている白い明るいランプのことです。中にキセノンが入っていて…光るんですね。あれを使って懐中電灯的な連続発光のランプを作ってみたいと思ったので試してみた次第です。
キセノン管の発光過程ですが、放電管ですから電圧が低い時は絶縁体も同義です。そこにトランス等で高電圧(数kV~)を印加してやると 管内の絶縁が破られてアーク放電が始まります。ここで十分な電流を流してやると白い閃光を放ちます。通常のフラッシュでは、100uF~くらいの電解コンデンサに300Vほどを充電して電源として使用するので瞬間的にかなりたくさん電流が流れて明るく光るんですね。そこでまずは、フラッシュ点灯時の管の端子電圧と電流を測ってみました。
 最近気がついたのですが、我が家のオシロはどうやらストレージスコープモードにするとADCの都合かきっかり5div以上の信号はクリップして5divに張り付いてしまうようです。今回の測定ではあまり関係ありませんでしたが注意が必要ですというお話でした。
で上のキャプチャですが図中に記載したように電圧と電流を測定しました。管電圧が下がり始めている点がキセノン管にトリガを掛けて点灯を開始した点です。管電流が急峻に立ち上がってコンデンサの電荷が使用され管電圧は徐々に下がっていくとともに管電流も下がっています。注目したいのが暫く経った後の管電圧です。管電圧が一定値(実測20~30V程度)に収束しているため、この電圧は、管内のアーク放電を維持できなくなっている電圧と考えられます。ここで電流波形を見ると当然放電終了後は電流0ですね。電流波形はピーク付近は無視してかなり高い倍率で見てるので0付近の電流値の変化は図では徐々に変化しているように見えますが実際はかなり急峻に変化しているはずです。ですのでキセノン管には数十Vの放電終止電圧があって、一度放電が開始してしまえば流す電流によって明るさ、端子電圧が変化すると言ったところでしょうか。
ということで、安定して駆動するには定電圧方式より定電流方式ということになります。ものすごく高電圧まで昇圧できる定電流回路があればトリガ→定電流制御にできますが設計が厳しすぎるのでトリガは別にして適当な定電流回路を組んでみます。

 結論から言うと光りました。回路的には、200V最大出力くらいの定電流回路+使い捨てカメラのトリガ回路部分だけという感じです。
問題点
・暗い
・定電流回路の発熱が多い
・キセノン管の発熱も多い
ダメでした。連続点灯向いてないです。写真では分かりにくいですが糸のような放電がフラフラ揺れているだけで全然明るくないです。また、直流点灯なので電極が片減りして寿命もかなり短いと思います。

当初の予想では放電終止電圧分だけ電源電圧を用意すればトリガさへ掛けてやれば光りだすだろうと思っていたのですが、放電終止電圧の4倍以上の100Vを管両端に掛けてトリガを掛けても一向に放電開始しませんでした。上図のように連続的な放電に移行したのは徐々に電圧を上げていき180V印加時でした。管内部のアーク放電には開始と立ち消えでヒステリシスみたいのがあるようです。定電流回路のインピーダンスが高かったのでトリガ開始時に端子電圧が一時的に下がってしまったというのもあるかもしれません。温度とも関係がありそうです。
また、管電圧を測りながら管電流を変化させてみたところ、不安定ながら相関が見られました。最初の予想と逆なのですが管電流を下げるほど管電圧は上がっているように思いました。管電流は上の図で70mAくらいで管電圧は50Vくらいですが、100mAくらいまで上げると40V付近をうろつくようになったような気がします。あまり正確に測ってないのでなんともですけど。
管の温度上昇ですが、やはり平均投入電力は3Wとというところでしょうか。強制空冷したり端子に銅板とかで放熱器を足せばもう少し投入できる気もしますが連続駆動での明るさは大したこと無いようです。検索してみると人間の見た目の明るさ的にもパルス点灯させた方がマシのようですね。
電極付近は過熱か少しオレンジ色の光も見えます。

ちなみにもっと電流を増やしていくと普通のフラッシュの閃光みたいに光りましたが2秒くらいで電極のハンダが溶け落ちてしまいました。

キセノン管自体はまだ生きているようです。
キセノン管で明るい光源が欲しい時は何個か並べてパルス発光させるのが手っ取り早そうです。たぶんですが今回のような低電流での点灯では大電流時に比べて遥かに明るさが低下してしまっているようなので、同じ電力でも大電流短時間のパルスにしたほうが見かけの明るさも上だと思いました。

やる気があれば放熱強化してもうちょっと明るさ稼げないかやってみようと思います。
結局今回も次回予告と異なってしまいしたね。すいません。

Web拍手反応
> はやおきしちゃった
よかったね。この時期は布団好き過ぎて目覚まし聞こえへん…。

> あっ!
だったらコー◯ンだったらコーナ◯、◯ーナンだったらコ◯ナンだー!

> >以下のメッセージが送信されました。
>ほんとかなぁ〜??
されてるよ。
あと最近Web拍手のメッセージ送るとこにレス(返信)不要とお名前入力欄とURL入力欄設けたので必要であれば使ってみてくださいな。さっそくレス不要で1件届いていました。

> アドッ!
無限アドは存在しない…無限アドは存在しない…

> https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjTkX6MabKCK4dob0arwKFt6DWU-MY5TSs67Hwp7TyiTWZ9sJktyWb-0JMBsYmpt8tn_6Eib-YxwZ02cBFrcL-PeRihDd7-1mZGLg70OuAfP8srjFBWb2vZK8ycEQKyjXUxuQan14SCGM0/s148/CZZsSwcUAAA0B8x.jpg
これ
ワシのBloggerのアイコンなんですけど、なかたくんが書いてくれた奴です。感謝しています。FELラボのロゴとかも作って欲しいよね。

> ピヨピヨ
> わい!
> ポッ
> いいね!
> ヒャッハー
> だいすき!
> ゴリゴリ(ゴリラの鳴き声)
いつも拍手とメッセージありがとうございます。なかたくんはめったに書きませんがこうして更新する原動力となっていますよ。

> なかたん記事は?
これ毎日聞かせてあげたい

> あと1000文字。
> あと992文字。
「。」入れなかったら8文字だから合ってたよ

それでは、今日はこの辺で。

Web拍手
http://clap.webclap.com/clap.php?id=fellabo

2 件のコメント:

  1. せっかくなのでHIDランプ等どうですか?

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  2. こんばんは。
    オークションとか見てるとヘッドライト用のが安くで手に入っておもしろそうです。あの強烈な白色光が魅力的ですよね。
    実はプロジェクタ用の高圧ナトリウムランプを幾つか持っているのでその点灯回路も製作中です。

    返信削除

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